痔瘻の手術まで

さて、気絶すれば良かったと思うほど痛かった「肛門周囲膿瘍」の切開手術を終え、ようようと自宅に帰りました(日帰り手術)。「死ぬほど痛かった。気絶すれば良かった」など、家族に痛みを伝えてみたのですが、残念ながら反応が鈍かったのを覚えています。やはり、この痛みは痔瘻になった者にしか共感できないと思います。

それから1週間ほど経った診察で、改めて「数ヶ月後に、痔瘻の手術が必要です」という死刑判決を言い渡されました。痛みはもうないのに、なぜ手術が必要なのか。もういいじゃん、許してよ。稀に肛門周囲膿瘍の切開だけで完治する人もいるようですが、私の場合はマカロニくらいのガッツリした膿のトンネルができているらしく「痔瘻の手術は不可避」「逃げきれない」と宣告されました。ショックが大きすぎて「一度、考えさせてください」と1週間時間をもらうことにしました。考えたところで、どうにもならないのですが・・・。

ここから手術までが地獄でした。Google先生で痔瘻の手術について調べてみると、「生きてきた中で一番痛い」とか、「麻酔が効く前に切られた」とか、「退院日に痛くてタクシーで帰った」とか、地獄のフルコースを味わうことになりました。こんな体験談を読んで手術日を決められますか?無理ですよね?しかし、私のお尻からは膿が出続ける現実・・・。

そこで、自分を鼓舞するために、手術を頑張ったら何か買おう、どこか旅行しよう、などのご褒美を考えてみました。しかし、手術とトレードできるほどのものは思いつきませんでした。とにかく、手術をするのが怖くて怖くてたまらなかったです。しかし、1週間という時間が「諦め」という悟りを開かしてくれました。もう、やるしかない。

そこに明るいニュースが飛び込みます。明るいニュースと表現するとその方に失礼になりますが、Facebookでつながっている知人が骨折をしてしまい、全身麻酔の手術を行うことになったのです。「私より大変な人がいる」ということではなく、手術で麻酔がよく効くように「オーエスワン(OS-1)」を飲むように指示があったことが投稿されていたのです。

なに、オーエスワンを飲むと麻酔がよく効くのか!?

この投稿は私にとって衝撃でした。どこの先生が言ったのか分かりませんし、医学的に証明されているのかも知りません。 ← 誤った情報でした。

経口補水液を摂取することにより、循環動態が安定し良好な麻酔管理が可能となる。

引用:手術前の体液管理における術前経口補水療法/京都第一赤十字病院 麻酔科

速攻でAmazonでオーエスワンを箱買いしました。届いた日から1日1本の目安を無視し、1日2本を飲み続けました。「俺の体液をすべてオーエスワンに代えてやる」という意気込みでしたね。手術当日も飲食は禁止されていたのですが、オーエスワンだけは入院する直前まで飲み続けました。

本当に効いたのか結果を比較することはできませんが、腰椎麻酔で手術中はまったく痛みを感じることがありませんでした。私は痛みに対してビビりなので、「オーエスワンを飲んできた。だから俺は痛くない」と自分自身に言い聞かせていました。

手術の話を続けたいのですが、その前に私の状況をお伝えしておきます。

痔瘻のトンネルは1本でした。他の方のブログや動画を見ると、トンネルが2本だったり、複雑化している方もいるそうです。とにかく早く受診することが重要ですね。また、トンネルの位置は、背中側でした。下を向いて大腸から肛門を見下ろすイメージだと、18時からやや左に短針を動かした位置でした。感覚的には21時の位置に感じていたのですが、それとは異なり実際は背中側でした。

痔瘻の手術には、私が行った切開開放術(Layopen)の他に、くりぬき法やゴムを使ったものなど3つくらいあるようです。手術後の肛門のダメージを最小限に抑えるために、トンネルの位置によって手術方法が異なるようです。私は背中側にトンネルができたので、肛門のダメージが少ない切開開放術(Layopen)が選択されたのだと思います。

痔瘻の手術について、分かりやすい動画があったので紹介します。

次は、「痔瘻の手術」です。

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